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ナマハゲ秋田民族仮面お面仮面木彫り風習

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平成16年に発行された同書を
平成28年に増補改訂したものになります。
定価2970円全131ページ

■本書序文■
過日、男鹿市と能代市が得点を競うイベントのテレビ番組を観た。
そこで最も催しを盛り上げたと評価されたグループは、
県立海洋技術高等学校生徒のナマハゲチームであった。

これもテレビニュースで見たのであるが、首都圏への出前かまくらと共にナマハゲの実演が行われていた。
高校生チームが県民に感動を与えたごとく、ここでも県外の人の共感を得ていた。

既に国外にも出ていることと思うが、日本の行事として注目されているに違いない。
この種の習俗は単に男鹿の民俗・秋田の民俗と限定されるものではない。
日本の北から南まで行われてきた民俗行事である。

来訪神が福神となるナマハゲは男鹿だけにあるのではないと右に述べたが、
男鹿のナマハゲは国指定重要無形民俗文化財である。
敢えて表現すれば、他地方で一般に広く行われている民俗行事とは、
一つ違っ文化的歴史的意味を持っているのである。

日本海域文化研究所は、この高度の無形文化財に取組み、
男鹿・若美・天王のナマハゲについて美事に紙面に具現してみせたのである。

勿論これは「真山伝承館」を備え、「なまはげ柴灯まつり」と
密接な関係を持つ研究所にしてはじめて成し得快挙であり、成果は、正に「要著」となった。

ナマハゲ面の多様性の紙上提示など、文化事象の時代的変遷からみて、このまま保持することは望み得ず、
もう後世再現することは不可能であろうと考えられるからである。

よく「荒々しい声と足踏」などから、ナマハゲは人々に恐怖を与える奇習であるかのように扱われるが、
修験の本質などから考えれば、これは祓い潔めのわざに違いない。

もっと具体的に言えば、旧年の罪穢れを強く大きく祓い潔めて、
新年の幸多き前途を祝福する神事であるに違いない。

現下、他の伝統行事と同じようにナマハゲも観光と結びつき、
大衆化し諸方に親しまれることになって来ているように見受けられるが、現象はそうであっても、
この神事の本性は渝らないものと私は考えている。

信仰文化の上でも民俗文化の上でも、不滅の「要著」を得たことを深く慶ぶものである。

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カテゴリー:	本・雑誌・漫画>>>本>>>人文
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